【トップガン マーヴェリック】作品レビュー

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【これぞトム・クルーズ映画!!】

トム・クルーーーーズ!!!

131分の物語に高揚し、劇場内が明るくなるまでの一瞬に何かを叫びたくなる鑑賞後感でした。

この映画には最っっ高の映画体験が詰まっています。

ハリウッド大作が好きなら見逃せない
戦闘機ファンなら必見
デートで観るのも最高
友だちとご飯の前に観るにもピッタリ
映画観たいとは思ってるけどなかなか劇場に行けない?
、、、ならこの映画から始めましょう!

そんなオススメしたい人がわんさといる作品です。


1986年公開の「トップガン」から36年。
アメリカ海軍のエリートパイロット養成学校トップガンにマーヴェリック(トム・クルーズ)が帰ってきた。

彼は”不可能なミッション”を成功させるために教官として招集されたのだ。

マーヴェリックは戦うことの厳しさと、生きて還るためには自分の限界を超えなければならないことを訓練生に教えていくが、彼らとの距離感はなかなか縮まらない。


トム・クルーズが演じるキャラクターと言えば、組織嫌いなのに、仲間想いで一匹狼にはなれない皆のリーダー。

常にピンチに巻き込まれるけど、絶対に負けたりはしない強運と実力を兼ね備えた人物。

女性にはモテモテなのに、最終的にフラれてしまう自由を愛する男。

そんな人物像を思い浮かべますが、マーヴェリックはまさにトム・クルーズらしいキャラクター。


相変わらず型破りなマーヴェリックは、今も顕在です。


この作品は是非映画館で観て欲しい!
出来ればAmazonプライムで1作目「トップガン」を観てからが良いと思う!!

と、ついつい鼻息荒く推してしまう「トップガン マーヴェリック」。

わたしが前作の事前鑑賞を勧めたいのはこの作品が1作目のファンを相当意識した作りだと思えるから。

そして今作の物語が前作のストーリーを背負ったものであるから、という理由です。

でも1作目を観る時間なんて無いよ~という人も、いつか「トップガン」を観てからDVDで「トップガン マーヴェリック」観れば良いやではなく、

時間が無いなら前作「トップガン」は観なくて良いからとにかく今「トップガン マーヴェリック」を映画館で観て欲しい!と強く思います。


戦闘機のエンジンが唸る爆音、
機内の人体にのしかかる重力、
方向感覚が失われていく超スピードでの曲芸飛行、

この戦闘機体験は単純に面白く、
映画館で観るハリウッド映画はアトラクションなんだと改めて実感することが出来ます。


やっぱりハリウッドって凄いや!


あなたにも、そんな鑑賞後感が待っているはずです。





☆以下内容に触れるのでご注意を☆




「俺は海軍の戦闘機パイロットだ。それは職業ではない。俺そのものなんだ」


わたしはマーヴェリックのこのセリフにしびれました。


36年前に切り取られた映像、戦闘機と共に滑走路を走る彼の嬉しそうな顔、夕陽に照らされたその表情を観てマーヴェリックの生き様を知った観客は、

36年後の今、再びスクリーンでそのシーン出会うと映画館の暗闇の中、一人熱狂せずにはいられないのです。


レザージャケット
アビエーターサングラス
KAWASAKIのバイク


これらの小道具を「これでしょ?」と観客に目配せしながら身につけるマーヴェリックに私もすっかりハマってしまいました。


そして”不可能なミッション”に挑むチームメンバーを挑発し、温かく見守り、実力で納得させ、絶対的な信頼を勝ち取っていくマーヴェリックの姿とトム・クルーズの自身の人生が次第に重なっていきます。


「俳優たちが実際に戦闘機に乗って演技する」


この1点にこだわって忍耐強く撮影技術の進化を待ち続け、アメリカ海軍の全面協力を勝ち得、俳優たちに海軍の訓練プログラムを受けさせる事が出来る人物はトム・クルーズしかいません。


なぜなら彼は「トップガン」1作目において戦闘機内での撮影が成功した唯一の俳優であり、

その経験から続編には戦闘機内での撮影が不可欠であること、
それには相当な訓練が必要であることを完璧に理解できていたからです。


そのためにトム・クルーズはもう一つの顔である敏腕プロデューサーとしての実力を発揮させ、海軍の協力を引き出し、実際に俳優たちに訓練プログラムをアレンジしました。


YouTubeに上げられたトレーニング映像は本当に過酷なんですよ。でも「最高~」と叫びながらグルグル回る機体に乗った訓練生役の俳優たちは本当に充実していて生き生きとした表情を見せています。


そこには”トム・クルーズ”という誰から見ても疑いようのない地位を築いてきた彼がこの作品のリーダーである事がチーム全体を覆う信頼感につながっていることは疑いようがありません。


一方映画内でのマーヴェリックは「全員を生還させる」この1点にこだわって”不可能なミッション”を”可能なもの”に変えていきます。


それは親友であるグースを失うという彼の負った深い傷のせいであり、長い経験の中で「ミッションには多少の犠牲が伴う」の意味を強く理解しているからです。


さらにマーヴェリックは誰よりもこのミッションが可能であることを信じ、チームメンバーを信じ、自分を信じている。


だからこそマーヴェリックは自らの破天荒な勇気と実力で、必ず生還できるミッションである事を証明し、周囲から望まれてリーダーになっていきました。


理想を掲げ、それを体現する格好良さ。


わたしはトム・クルーズとマーヴェリックの共通点は理想を追い続ける行動の中にあると感じています。


1986年から2022年。
私たちは一作目から実際に36年の月日が流れている事をトムの身体的変化と、マーベリックの中に燻る後悔の念に感じます。


そして物語を通底する哀愁、失われて行くものへの哀惜に共感することで、じぶん自身に流れる年月に触れることになります。


トム・クルーズ、マーヴェリック、そして自分。


この3つの人生が映画を通して重なっていくことが作品の濃厚さ、鑑賞後の充足感につながっていると私は感じました。


もちろんドキドキワクワクが一杯詰まったこの作品は、エンターテイメントとしても単純に、存分に楽しめるんですよ。


ただそれだけではありません。


心躍る瞬間があり、さざ波の様に押し寄せる感情があり、マーヴェリックがこれから歩むであろう人生に幸せを願う感情がある。


いくつもの感情がグラデーションを伴って、心の中に生まれていく。これこそが素晴らしい映画体験だと思うのです。


ああ、今日は本当にいい1日だった。


マスクで顔が隠れているのを良い事に、つい口元がにやけしまう帰り道。あなたにも、きっとそんな帰路が待っていますよ。


最っ高の映画体験をありがとう。トム・クルーズ!


2022.06
■トップガン マーヴェリック
2022年製作/131分/アメリカ
原題:Top Gun:Maverick
配給:東和ピクチャーズ
監督:ジョセフ・コジンスキー
出演:トム・クルーズ、マイルズ・テラー

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