ラクに生きるための食事法

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【ラクに生きるための食事法】

はじめに

 毎日どんな食事をしていますか?

 一日三食自炊していて、ついでに必要な摂取カロリーや栄養素を管理しているでしょうか。スポーツ選手ならまだしも、日常の食事にそこまで気を使うことは難しいと思います。

 最近は外食する機会が減ったことで、気づいたらコンビニで一日の食事を済ませてしまったり、あるいは自炊する回数が増えたなど、長年続けてきた食生活が変化したかもしれません。

 本書を読んでみようと思ったのも、ちょっと健康に気を使いたいと思ったり、何を食べたらいいのだろうと、考え直す機会があったからかもしれません。

 人間は、地球に誕生してから今まで欠かさずに続けていることがあります。その1つが食事です。科学的な研究がされる以前から私たちは食事を続けてきました。あれこれ考えなくても、大切なことは私たち自身が知っているはずなのです。

 一方で、食べ物に関する技術は進化を続けています。食べ物から味を取り出したり、食感と味を組み合わせたり、人工的に食べ物を作れるようにもなりました。人工的なものばかりを口にしていると、食欲を本能でコントロールできなくなり、必要以上に食べてしまったり、本当は食べたいと感じていないのにもかかわらず摂取してしまう可能性があります。それによって引き起こされる肥満や病気は社会問題として長年認識されています。

 本書では、「そもそも人はなぜ食べるのか」を考えて、現代を生きる私たちにとって大切なことを再確認します。そうすることで、食事に対して感じていた迷いを減らし日常をもっとラクにする考え方や知識について取り上げています。

はじめに(無料公開中)

第1章「高カロリー」≠「太る」は思い込みというお話(無料公開中)

第2章 生物としての食事のお話

 ・本能の食事のお話    

 ・人間の食事のお話

第3章 現代の食事のお話

 ・なぜ生きているかのお話

第4章 何を食べたらいいのかのお話

 ・タンパク質のお話

 ・エネルギーのお話

 ・吸収できる体づくりのお話

 ・果たして、科学は万能なのかというお話

第5章 体の声を聴く

 ・食べたくなるのはなぜかのお話

 ・油のお話

 ・お水のお話

おわりに

第1章「高カロリー」≠「太る」は思い込みというお話

 「たくさん食べたら太ります。」

 こう考えている人は少なくないはず。また、お米だったり、高カロリーのものたくさん摂取したら太る、とういう認識も一般的に浸透しています。

 ここで考えてもらいたい現象があります。国民1人あたりの摂取カロリーと人口における肥満の人の割合を厚生労働省が調査したものです。このデータを見ると1960年代をピークに、国民1人あたりの摂取カロリーは減少しています。一方で人口における肥満の人の割合を見てみると、年々増加傾向にあります。 

画像1

吉原食糧株式会社 様HPより引用

画像2

高橋医院 様HPより引用

 これは、摂取カロリーは減っているにもかかわらず肥満の人は増えていることを示しています。   

 データは必ずしも相関関係を示していないことから、カロリーの摂取量と太ることは必ずしも同義ではない。

 また、食事や健康にまつわる常識だと思われていることについて本当にそうだと言えるのか。改めて考え直していきたいと思います。

 必ずしも正解があるわけではありません。特に食事や健康に関しては多くの情報が飛び交っています。自分の生活に取り入れる前に、その原因を自身で考えていくことが大切です。

 

 メタボリックシンドロームという言葉を知っていますか。日本語では代謝症候群と訳され、1999年にWHOによって基準が設定されました。その10年前の1989年。アメリカでは死の四重奏という言葉が使われていました。

四重奏

・上半身の肥満

・糖代謝異常

・高中性脂肪血症

・高血圧

 

 これら4つの症状が重なることで心臓周りの血管に異常が出る冠動脈疾患が引き起こりやすいと言われてきました。

 日本でも、1996年に成人病が生活習慣病という言葉に改められました。

 この背景として、主に成人に見られていた死の四重奏や糖尿病のような症状や病気が、子どもにも出るようになってきたことが考えられます。加齢によって起こることではなく、生活習慣によって誰にでも起こりうるということです。

 90年代を皮切りに、日本だけでなく世界中で言葉が生まれたり病名が変更されたり、基準が設定されるといった変化が起こっています。

 最初に触れた、カロリー摂取量が下がっていても肥満の人が増えているという現象は世界中で起こっているのではないかと考えられます。

 このような事例から、今まで当たり前に考えていた食にまつわる常識も、本当にそうなのかと、改めてよく考えてみる必要があります。

 たくさん食べれば太るということについては、必ずしもそうでない人たちもいます。例えば大食いの人たちは、短い時間に、大量の食べ物を取り込みます。注目して欲しいのは彼らは必ずしも、太っているわけではないということです。食後はお腹が膨らんでいても、時間が経てば平均的な体型に戻る人もいます。大量の食べ物を食べれば、それなりのカロリーを摂取します。ただ、たくさん食べることと、カロリーを摂取することが太るという現象は彼らには当てはまりません。

 今回は痩せるための食事についてお伝えすることが目的ではないので、この話はこのくらいにします。これらの問題提起は、「カロリーとは一体何なのか」を改めて考える必要があるということです。そして、お米を食べたら太ると言われ炭水化物を取らないダイエットがありますが、今までの人類はなぜそれを食べていたのかついて学んでいきます。

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