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今回は
- 炎症を促進する油
- 炎症を抑制する油
について解説していきます。
炎症をコントロールするサイトカインは油から作られる
まず、なぜ摂取する油脂の種類で、炎症がひどくなったり治まったりするのか?って話なんですが、これは炎症をコントロールするサイトカインが油脂から作られるからです。
だいぶ昔の話ですが、1929年の実験で、
マウスに完全に脂肪を取り除いた食事をを与えるとすぐに死んでしまうということわかりました。
しかし、特定の脂肪を与えればマウスは生き残ることができます。
この特定の脂肪というのが、オメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸の2つの脂肪酸を含む脂肪です。
後になってこの2つの脂肪酸は、体の中で炎症を制御するサイトカインの材料になっていることがわかりました。
加えて、この2つは体内で合成する事ができないんですね。
なので必ず食事から摂取しなければいけないという意味で必須脂肪酸と呼ばれています。
(かつてはオメガ3脂肪酸、オメガ6脂肪酸を合わせてビタミンFと呼ばれていました)
オメガ3とオメガ6を摂らないと人間も炎症を制御するためのサイトカインが作れずに、すぐに死んでしまいます。
現代人は炎症性サイトカイン過多
さて、このオメガ3とオメガ6なんですが、体内ではそれぞれ炎症を別の方向に導くサイトカインに変化します。
それぞれ、
- オメガ3は炎症を抑制する抗炎症性サイトカイン
- オメガ6は炎症を促進する炎症性サイトカイン
になります。
以前、解説したように炎症は重要な体の防衛機能です。
敵が侵入してきた時は炎症を促進するサイトカインが必要ですし、敵がいなくなれば炎症を止めるサイトカインが必要になります。
つまり、オメガ3もオメガ6も、両方体には必須の成分なんですが・・・・
現代人は普通に生活しているだけでオメガ6過剰になってしまいます(´・ω・`)
理想的なバランスは
オメガ3:オメガ6=1:1~1:4
くらいだと言われています。
じゃあ、今の日本人はどれくらいのバランスになっているのかというと、現実には
1:10~1:40
になってしまっているみたいです。
これは身の回りにある油がオメガ6ばっかりだからです。
例えば、オメガ6をたっぷり含む油の代表がサラダ油(植物油)です。
そう、あのどこの家庭にもあるサラダ油です。
家庭でも炒め物や揚げ物に使うところも多いのではないでしょうか?
家庭では油をあまり使わなかったとしても、 スーパーで惣菜を買ったらほぼ間違いなくサラダ油が使われてますし、 お菓子の原材料を見れば必ずと言っていいほど植物油が入っています。
(基本的に植物油と表示されているものはオメガ6たっぷりの油が使われていると考えてもらってOKです。)
逆にオメガ3を含むのは青魚、あるいはアマニ油くらいしかありません。
僕らの身の回りにある食品はオメガ6を含むものばかりで、オメガ3を含むものはほとんどない。
だから、普通に生活しているだけでオメガ6過多になってしまうわけですね。
マーガリンは今すぐ捨てよう
「動物性油は健康に悪いから、植物性油にしましょう」という一大キャンペーンがかつて農業団体主導で行われたせいで、そう思い込んでる人が多いのですが、これは大間違いです。
動物の脂は健康に悪くて、植物油の方が健康にいいとか。
肉は健康に悪くて、野菜は健康にいいとか。
間違った知識を僕らは知らず知らずのうちに刷り込まれているので、気をつけましょう。
植物油は正義?
植物油から作られるものの一つにマーガリンがあります。
植物油は常温で液体ですが、これに水素添加という化学処理をすることで、固体にしたものがマーガリンです。
上の動物性油脂は健康に悪いキャンペーンの一環で、
動物の乳から作ったバターはけしからん!
植物油から作ったマーガリンなら安全安心だ!
という触れ込みでバターの代用品としてマーガリンは爆発的に広まりました。
実際、僕も給食などでマーガリンを食べて育ちましたし。
が、しかし・・・
マーガリンを作る水素添加の過程で、トランス脂肪酸という副産物ができてしまうんですが、これが人体に対して毒性を持つことがわかっています。
脂肪酸は体内では細胞膜の材料として使われていますが、このトランス脂肪酸は自然界に存在しない形をしているせいで、細胞膜に取り込まれた時に正しく機能しないんですね。
食べたところですぐにどうこうなるわけではないんですが、食べ続けるとだんだんトランス脂肪酸が細胞膜に蓄積されていきます。
一度、取り込んでしまうと体外に排出されにくいのもトランス脂肪酸の恐ろしいところです。
で、蓄積していくと細胞がだんだんまともに動かなくなって、いろんなところで問題が起こる・・・。
これがトランス脂肪酸です。
アメリカではマーガリンは製造販売禁止
日本のニュースでは全く取り上げられませんでしたが、アメリカではマーガリンは2018年から全面的に製造禁止になっています。
アメリカでもマーガリンを禁止にしようとした時に、農業団体などマーガリン利権を握っている人々から猛烈な反発があったはずです。
にもかかわらず、禁止になったということは、マーガリンによほどの健康リスクががあったのだろうと推察されます。
実際に、トランス脂肪酸は
- 心臓病
- 脳血管障害
- 認知症
など様々な病気の原因になることがわかっています。
ちなみに僕も昔はマーガリンを使っていたんですが、アメリカでマーガリンが製造禁止になったというニュースを聞いて、冷蔵庫のマーガリンをすべてゴミ箱送りにしました。
あの農業大国で禁止になるということは、これはよっぽどのことだぞ、と(;´∀`)
日本ではまだ禁止されてないですが、みなさんの家の冷蔵庫にもしマーガリンが置いてあったら
今すぐ捨てましょう!Σ(゚Д゚)!
トランス脂肪酸って危ないって聞いたことはあったけど、まだなんとなく使ってる・・・
という人もいるかもしれませんが、「今すぐ捨てた方がいい」と、力強く言えるほどにマーガリンは毒です。
マーガリンだけでなく、ショートニング、ファットスプレッドなど植物油に水素添加で作った製品は例外なくトランス脂肪酸を含みます。
なのでできたら食べたくないんですが・・・
こいつらが面倒くさいのは、材料としていろんな食品に使われていることです。
菓子パンとか、お菓子の表示を見れば、もれなくどれかが入ってると思います。
できることからちょっとずつ
あまりにも多くの食品に使われているので、完全にゼロにしてしまうのは現実的に不可能です。
100%避けようとすると、本当に食べるものがなくなっちゃうんで(;´∀`)
可能な限り避けるのは大事ですが、完璧主義になってしまうと逆にストレスを貯めてしまうことにもなりかねないので、
・冷蔵庫にマーガリンは置かない
・マーガリン・ショートングなどの入った食品はできるだけ避ける
くらいにしておきましょう。
※マーガリンやショートニングが使われている食品は、お菓子類やパンが多いので、炭水化物少なめの食生活を心がけていると自然と食べなくなっていきます。
まとめ
さて、ここからもう少し突っ込んで体に良い油と悪い油の話をしようと思ってたんですが、長くなってきたので今回はこの辺で。
今回のポイントをまとめると
- オメガ3は抗炎症性サイトカインになる
- オメガ6は炎症性サイトカインになる
- トランス脂肪酸は毒。マーガリンは捨てるべし
もう一つ危険な油として酸化した油があるんですが、それはまた今度。