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今回は食品添加物とどう付き合っていくかをメインにお話していきます。
味の素は危険か?
味の素についても誤解している人が多いと思うので、ここで取り上げておきます。
食品添加物として味の素はかなり有名だと思います。
分類的には食品添加物というより、調味料になるんでしょうか。
(食品に配合されている場合は、味の素ではなくアミノ酸と記載されています。)
僕は昔、漬物に味の素をかけて食べていたら「そんなものかけたら病気になるよ!!」と言われた記憶がありあます。
この結晶化した見た目がいかにも合成されたものっぽいから、危険だと思われているような気もしますが、天然のアミノ酸も酵素も精製すると大抵は結晶化して、こういう見た目になります。
食品添加物であるにせよ、調味料であるにせよ、世間的にあまりいい印象を持たれていないのは確かだと思います。
味の素が危険だと言われるようになった事件があってそれが1968年に起こった中華料理店症候群です。
これは中華料理を食べた後に頭痛や顔面紅潮、体のしびれなどを訴えた人が出たというものでした。
この症状は中華料に添加されていたグルタミン酸ナトリウムが原因ではないかと言われ、それが味の素危険論に繋がったわけですが・・・。
味の素の主成分はグルタミン酸ナトリウムです。
これはアミノ酸の一種です。
このグルタミン酸、実は脳内で1時間あたり700gも合成されています。
というのも脳内でグルタミン酸が中枢神経系の神経伝達を担っている物質だからです。
加えて、グルタミン酸は体内でグルタミンというよく似たアミノ酸に変換されるのですが、このグルタミンは筋肉中に最も多く存在するアミノ酸です。
人間の体の中でも大量に生産され、存在しているアミノ酸を、食品添加物としてほんの数グラム摂ったくらいで、何らかの症状が出るとは考えにくいですよね?
事実、「グルタミン酸ナトリウムが中華料理店症候群を引き起こす」という説は、後の実験ではっきりと否定されています。
おそらく中華料理店症候群が起きた中華料理屋では中毒を起こすような量のグルタミン酸ナトリウムを使っていたのではないかと個人的には思っています。
しかし、未だに味の素は危険と思ってる人は多いんですよね。
これにはマスコミが大きく関わっていています。
マスコミの性
マスコミというのは不思議なもので、「○○が危険だ」という報道はこぞってするのに、その後、実験でその成分の安全性が証明されても「危険だと言われていた○○は、実は安全でした」という報道は一切やりません。
(もちろん、これは不思議でもなんでもなく「危険だ!」と言って一般市民を煽らないと視聴率がとれないからなんですが)
そのせいで、一般の人は「一度でも危険だと言われたもの」は(たとえ後で安全性が証明されても)ずっと危険だと思っている事が多いです(´・ω・`)
結局、真実を知っているのは論文などのデータにアクセスできるごく一部の人だけ、というのが今の現状です。
もちろん「知らぬが仏」という言葉もあるくらいで、知らなくても生きていく上では問題ないのかもしれませんが、やっぱり真実を知らないと損をしてると思うんですよね。
「この弁当には化学調味料が入ってる・・・健康に悪いに違いない・・・」と思いながら弁当を食べてたらそれだけでストレスになりますし。
同じ弁当でも「今、脳の神経伝達物質を補給しているんだ」と思いながら食べるとかなり気分は違うはずです。
そして、こういう思い込みは健康状態に影響を与えます。
味の素に限らず、こういう例は掃いて捨てるほどたくさんあるんですが、こういった誤解をちょっとでも解いていこう、というのがこの講座の裏テーマの一つでもあります。
ほとんどの野菜には発がん性物質が含まれている
「ほとんどの野菜に発がん性物質が含まれている」というと驚くでしょうか?
でも、これは事実です。
これは野菜が有害物質で汚染されているとかそういう話ではなくて、そもそも野菜には自然の状態で発がん性物質が含まれているということです。
野菜は食べるとものによっては苦かったりしますが、これは野菜に含まれる微量の毒素のが苦味を感じさせているからです。
野菜も生き物なので、積極的に食べられたいわけではありません。
だから、野菜は動物に食べられないように体内に毒素を持ち「お前、オレを食べたら具合悪くなるぞ」と言っているわけですね。
それでも人間が野菜を食べるのは、その毒素以上にビタミンなどの栄養が野菜に含まれているからです。
ちなみにアメリカ人は平均すると1日で1.5gの発がん性物質を野菜から摂っていると試算されています。
(日本人のデータは見つからなかったんですが、おそらくアメリカ人より少ないということはないと思います)
ですが、野菜を摂ったせいでガンになったという話は聞きませんよね?
これは人間の体が毒素を分解するシステムを持っているからです。
少量の毒素であれば、たとえ体内に入ってきても分解してしまうので、体には影響がないということです。
たとえ毒性のあるものでも一定の量を超えない限りは問題はありません。
しかし、これは逆に言うと、一定量を超えてしまえば、毒性が出るということです。
いろんな野菜を摂っているうちはいいですが、同じ野菜ばっかり毎日大量に食べているとこの「一定量」を超えてしまう可能性があります。
そして、どんなに安全なものでも、アホみたいな量を摂れば毒性が出るという話は、以前やったとおりです。
つまり、何が言いたいのかというと、
特定のものばっかり食べるのはたいてい健康によくない
ということです。
人体の解毒システムの限界を超える量の毒が入ってくれば、解毒が追いつかずに体に何かしらの問題が起こります。
「食事はバランスが大事」というのはこういうことなんですね。
例えば、
MCTバターコーヒーを中心にして食生活を送るのは問題ないが、MCTバターコーヒー”だけ”で食事を済ませるのは問題
ということになります。
(コーヒーに関して言うと、1日3杯程度を飲む人は様々な病気のリスクが低下するが、6杯以上飲む人は特定の病気のリスクが高まるというデータがあります)
なので、ぜひぜひ食事を考えるときはバランスを意識してもらえればと。
食品添加物とどう付き合っていくか?
食品添加物に関しては、
・少しでも毒性の疑われるものは使われない
・使用できる量が厳格に制限されている
ので、現実的な危険性はほとんどありません。
つまり、普通に生活していて、毒性が出る「一定量」を超えるなんて考えられないということですね。
実際、”食の安全”に対する意識が高まったせいで、かなりの数の食品添加物が使用禁止になっています。
今の基準がどれくらい厳しいのかというと、
「普通に生活していたら絶対に摂取しないような量を一生涯、毎日取り続けると、ガンになる確率がほんのり上がるかもね」
くらいの食品添加物も禁止されています。
それくらい今の基準は厳しいです。
(野菜にさえ発がん性物質が含まれているのに、ここまで厳しく規制するのはバカバカしいと僕は感じますが・・・)
「ほんの少しでも危険性があるのなら、禁止すべきだ」という意見も心情的にわからなくはないんですが、それを言うなら食品添加物よりもバランスの悪い食事をしている方がよっぽど危険です。
食品添加物を気にするくらいなら、まずは「低糖質・良脂質・高タンパク」のバランスの良い食事を心がけた方が健康にプラスになるのは間違いないです。
しかし、食品添加物も体にかける負担がゼロというわけではありません。
先程、体に解毒システムが備わっているという話をしましたが、この解毒システムは主に肝臓が担っています。
つまり、毒の分解は肝臓に負担をかけるということです。
食品添加物も主に肝臓で処理されるので、毒性がなくとも肝臓に負担はかけます。
ただ、食品添加物だけでなく体内に入ってくるさまざまな栄養素の代謝にも肝臓が関わっています。
普通に無添加の食事をしているだけでも肝臓には負荷がかかっているということですね。
じゃあ、肝臓に負担をかけないように、今日から何も栄養素を摂りません!なんて初めてしまうと、あっという間に栄養失調で死んでしまいます(^_^;)
生きていく上で栄養素の代謝は必須です。
そのために肝臓に負荷がかかることは仕方ないんですね。
確かに栄養素と違って、食品添加物は基本的に”栄養”にはならないので、栄養にならないもののために無駄に肝臓を働かせるのは無駄だと考えることもできるでしょう。 (一部の食品添加物は栄養にもなりますが)
そういう意味で肝臓に無駄な負担をかけないために、食品添加物を避けるというのであれば、ありだと僕は考えています。
ただし、繰り返しになりますが、食事のバランスに比べると食品添加物への健康の影響は遥かに小さいです。
まとめ
だいぶ、暑苦しく語ってきましたが、今回の内容をまとめると
- 真実を知らないと損する
- 「ばっかり食べ」は大抵健康に良くない
- 気にしたい人は食品添加物を避けても良い
という感じです。
ちなみに、僕自身、食品添加物をどれくらい気にしているのかというと、全く気にしていません(;´∀`)
食品添加物については、とりあえず以上になります。
あまり一般的には言われていない過激な内容も多かったと思うので、「ここが納得できない」などありましたら、ぜひぜひ教えてください。
P.S. ポリフェノールは毒
野菜に多く含まれる抗酸化物質ポリフェノールも実はアルカロイドに分類される毒です。毒なのでヒトの味覚では苦く感じます。
詳しくはこちらの記事で解説しています