「ジェンダーに橋を架ける本を読む 第9回 〜『裸足で逃げる』〜

【ジェンダーに橋を架ける本を読む 第9回〜『裸足で逃げる(上間陽子)』〜】

この世界には、いろんな人がいます。

「全然理解できない…」

「何を考えているのか分からない…」

と思う人と出会うこともしばしば。

そういう時に、どうしますか?

自分とは別世界と思って離れますか?

それとも、理解してみようと近づいてみますか?

今回の読書会で読む本『裸足で逃げる』の著者は沖縄の未成年の少女の聞き取り調査を続けています。性暴力を受けた少女、性産業に従事する少女、そういう女の子たちの声にもならないを聞き続け、書き残したものがこの本です。

大学教員である彼女にとって、そういう世界はまさに「別世界」のようなもの。でも、彼女はその世界に足を踏み入れて、現実を見つめ続けています。

私は異文化コミュニケーションの研究を10年ほどしていましたが、異文化コミュニケーションとは「自分とは異なる他者」とのコミュニケーションのこと。そういう他者とどのようにして関係を築いていくことができるのか。

それは地球の距離がどんどん小さくなって、いろんな文化背景の人と出会う今の世界にとってはとても大切なこと。

そういう意味で私はこの読書会のタイトルを「ジェンダーに橋を架ける」としています。いろんな他者との間にジェンダーに関して「橋を架ける」こと。そのために多様な現実を知る本を読む。

自分が見たこともない、聞いたこともない他者の現実を見ることは、想像力を高め、柔軟さを身に着けさせてくれます。それは異なる他者とコミュニケーションをする際にはとても大切になってくること。

沖縄の夜の街の少女たちの現実に出会ってみませんか?

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