「足るを知る」(既に在る)

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「足るを知る」という言葉は、一般的に「今の状況で我慢しろ」「欲を捨てて満足しろ」という意味で捉えられがちです。しかし、それは「欲を抑え込む事」ではなく、「もう既にここに在る」ことに気づくことです。満足しようと努力するのではなく、心の濁りを取り除き、本来そこに在る「充足」が見える状態に戻す事こそが、本当の意味での「足るを知る」(知足)です。欲は決して悪ではなく、それを燃料として使いつつも心が濁らない様に制御する事が求められます。よく「執着を手放せ」と言われますが、これは川の流れ自体を止めろと言っているようなものです。水は止めれば淀んでしまいます。欲は生きるためのエネルギー、つまり、「燃料」であり、消す必要はありません。問題は欲があるかないかではなく、その欲によって「水が濁っているかどうか」です。清流の様に水が透明で流れがあり、底が見える状態であれば、欲望を持ちながらも次の一歩を確信を持って踏み出す事ができます。欲を否定するのではなく、それが視界を遮る泥にならない様に、扱い方を知ることが本質です。

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