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美容を理解する上で、知っておくと便利な知識をお勉強する基礎知識編です。
今回は細胞についてです。
この講座でも美と健康を維持する上で重要な細胞内の小器官を取り上げていくので、細胞の構造がどうなっているのかを知っておくと何かとわかりやすいと思います。
生物の授業で習ったことをぼんやりと覚えているかもしれませんが、ぜひその記憶を鮮明にしていただければと。
細胞は小さな社会
細胞というのはすべての生物に共通している、生物の最小構成要素です。
動物の細胞であればだいたいこんな細胞構造をしています。
細胞膜に囲まれた部分が一つの細胞ということになります。
上の図のように、細胞の中にはいろんな小器官があるんですが、それぞれに役割があります。
一つの細胞は一つの社会だ、と考えると細胞というものを理解しやすいです。
人間の社会に、発電所や工場、ごみ処理センターがあるように、細胞の中にもそれらに相当する器官があるんです。
核:設計図の格納庫
核には細胞の設計図、つまりDNAが格納されています。
万が一、この設計図が壊れてしまうと、正常に細胞を作ることができなくなってしまうので、頑丈に格納されています。
ミトコンドリア:発電所
細胞の社会ではATPという物質をエネルギーとして利用しています。
たんぱく質を合成したり、筋肉を動かしたり、など細胞のあらゆる活動はATPを元にして行われます。
このATPを大量生産するのがミトコンドリアです。
ミトコンドリアは酸素を利用して糖や脂肪酸からATPを作り出しています。
細胞に必要エネルギーを作り出しているという意味で、ミトコンドリアは細胞の発電所だと言うことができるでしょう。
リボソーム:たんぱく質合成工場
DNAにはタンパク質の構造が書かれているんでしたよね?
参考:セントラルドグマ
その情報を元にタンパク質を合成するのが、このリボソームです。
ゴルジ体:タンパク質配送センター
リボソームで合成したタンパク質をどこへ運ぶのか指令を出すのがこのゴルジ体です。
タンパク質は正しい場所に配置されてない正しく機能しないので。
リソソーム:ごみ処理&リサイクルセンター
たんぱく質は使っているうちに摩耗したり、酸化ストレスなどで壊れていきます。
この壊れたタンパク質(細胞のゴミ)を分解して再びアミノ酸に戻すのがこのリソソームです。
たんぱく質だけではなく、うまく働くなった細胞小器官や、細胞に侵入した細菌やウィルスをまるごと分解してしまうこともあります。
ここで生じたアミノ酸は再びリボソームでタンパク質の合成に使われます。
こんな風に細胞内でも器官ごとに役割分担がされていて、細胞という社会を動かしているんですね。
特に重要な器官:ミトコンドリアとリソソーム
ゴルジ体とか、リボソームなども紹介しましたが、この辺は忘れてしまっても大丈夫です(笑)
紹介した細胞小器官の中で特に重要になってくるのが、ミトコンドリアとリソソームです。
ミトコンドリア
ミトコンドリアが機能不全に陥ると大量の活性酸素を発生させて、細胞を急激に老化させることがわかってきています。
また、ミトコンドリアは細胞に必要なエネルギーの生産を行っている器官なので、しっかり働いてくれないと細胞全体がガス欠状態になってしまいます。
逆にミトコンドリアがどんどんエネルギー(ATP)を生産してくれると、僕がいう「エネルギー燃焼型」の体質になっていくわけです。
そういうわけで、ミトコンドリアを健全な状態に保つことが、健康を維持する上で非常に重要になってきます。
リソソーム
リソソームはいわゆるデトックスに関わる重要な器官です。
実は細胞内にゴミ(壊れたたんぱく質)が溜まっていくことが、様々な病気につながっていることが、最近わかってきています。
ゴミが溜まりすぎることで、細胞が正しく動かなくなってしまうんですね。
(実際、アルツハイマー病やパーキンソン病などは、このごみ処理機能が破綻して、細胞内に壊れたタンパク質が蓄積することで引き起こされています。)
さらに、壊れたミトコンドリアなども最終的にリソソームが処理して無害化しています。
つまり、このリソソームを正しく機能させることで、細胞レベルで健康を保つ事できるということです。
他の部分については忘れてしまっても大丈夫なので、このミトコンドリアとリソソームをしっかり覚えておいて下さい。
ではでは。