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糖質過多にまつわる話題が続いておりまして、今回もその糖質に関するお話です。
こちらのコンテンツでは人類の進化の歴史という視点から、糖質過多の危険性を説明しましたが、今回はもう少しミクロな視点から糖質過多を見ていきます。
つまり、糖質を大量に摂取した時に、人間の体の中で何が起こっているのか?というお話ですね。
朝、白ご飯を食べると眠くなるワケ
僕は以前は朝に
白ご飯と味噌汁+何かおかず
みたいなスタンダードな日本の朝ごはんを食べることが多かったんですが、これだと必ず午前中に眠くなっていました。
(眠くなるだけではなくて、実際に居眠りしたりしてたんですが、それは秘密です。)
「朝食を食べることで目が覚める」などと世の中では言われてたんで
まさか、朝食が原因で眠くなってるとは夢にも思わなかったんですよね。
しかし、午前中から眠くなる一番の原因は朝ごはんの糖質でした。
では、白ご飯を食べた時に体の中で何が起こっているのかを詳しく見ていきましょう。
まず、白ご飯を食べると、一気に血糖値が上がります。
それを感知して今度は膵臓がインスリンをドバドバ出します。
で、インスリンの働きで血液中の糖が細胞に取り込まれ、血糖値が下がるのですが・・・
血糖値があまりに急激にあがり過ぎると、インスリンの分泌量がうまく制御できません。
人間の進化の歴史の中で「精製された穀物」ほど急激に血糖値を上げるものがなかったので、白ご飯を食べると体が間違って必要以上にインスリンを分泌してしまいます。
結果、どうなるのかというと、今度は血中の糖が細胞に取り込まれすぎて、低血糖になるのです。
このように、朝、白米を食べると午前中、血糖値がジェットコースターのように乱高下します。
最終的に、低血糖になると頭がボーッとして思考が働かなくなってきます。
(ついでに血糖値が下がると脳はエネルギーが足りないと判断してお腹も空いてきます)
これが、「朝に白ご飯を食べるとと午前中に眠くなる」の真相です。
そんな理由もあって僕は朝、白米を食べるのをやめMCTバターコーヒーにしました。
(以来、午前中の眠気や空腹感に悩まされることはなくなりました)
昔のように畑仕事などの肉体労働ならそれでよかったんですが、デスクワークなどあまり体を動かさないのに朝から炭水化物をたっぷり食べるのは非常にマズイです。
デスクに突っ伏して寝てしまい、上司からどやされる危険が増大してしまいます((((;゚Д゚))))
血糖値の乱高下が血管を破壊する
そして、この血糖値の乱高下は上司からどやされるのとは比較できないくらい危険な症状を引き起こします。
それが血管の破壊です。
前にお話したように人類の歴史のなかでこれほど大量に糖質を食べれる時代はありませんでした。
なので、人間の体が入ってきた大量の糖質を処理しきれずに、血糖値が必要以上に上昇してしまいます。
そして血糖値の乱高下は血管に強烈な酸化ストレスをもたらします。
実際に血糖値の激しい上下を繰り返すと、血管内皮細胞の寿命が短くなることも確かめられています。
(高血糖状態が続くよりも、血糖値の激しい上下の方が細胞の寿命を縮めるとする研究もあります)
高血糖はタンパク質(酵素)の糖化を起こす
血糖値が制御できなくなると、高血糖の状態が続くようになって来ます。
そうなると、高濃度の糖と直接接触している血管が真っ先に老化の餌食になるわけです。
(空腹時血糖値が126mg/dL以上が続いている状態を糖尿病と呼びます)
そうなってくると、タンパク質(酵素)の糖化が起こります。
糖化したタンパク質は変性して働かなくなります。
結果、その酵素が関わる細胞活動が傷害されて、主に血管内皮細胞が破壊されます。
破壊された細胞を修復するためにはコレステロールが必要になるので、LDLが運ばれてきます。
しかし、破壊がひどい場合、炎症反応も起こって、コレステロールが沈着して、プラーク(血栓)を作ります。
こうなると血管が詰まってしまうわけです。
血糖値ジェットコースターの行き着く先
血糖値ジェットコースターの恐怖はまだこれだけでは終わりません。
本物のジェットコースターなんかより100倍怖いのです((((;゚Д゚))))
先ほど、血糖値の上昇に反応して、インスリンが膵臓から分泌されるという話をしました。
しかし、人類はこれほど大量にインスリンを分泌しないといけない状況に歴史上遭遇したことがないのです。
そのため膵臓は限界以上にインスリンを作り続けることになります。
この状況が続くとやがて、膵臓は「もう僕はつかれたよ・・・」状態になり、 インスリンを作れなくなっていきます。
加えて、インスリンに反応して糖を取り込んでいた細胞たちも、何度もインスリンにさらされるとだんだん感受性が落ちてきて、同じ量のインスリンではちゃんと反応しなくなっていきます。
つまり、血糖値ジェットコースターに繰り返し乗ってしまうと、
- インスリンの分泌量が減る
- インスリンが効きにくくなる(インスリン抵抗性)
などの事態が起こってきます。
こうなってくると、ますます血糖値を制御できなくなるという悪循環に陥ってしまい、さらなる血管の破壊が起こります。
糖質過多の行き着く先
そして、この血糖値ジェットコースター&高血糖の行き着く先は、心筋梗塞だったり、脳梗塞だったりするわけです・・・
心筋梗塞や脳梗塞はかなり大きな血管が壊れた時に起こる病気ですが、大きな血管はそう簡単には詰まりません。
なので、血管の破壊がよほど進まないとそういった病気にはならないんですが、逆に細い血管であれば簡単に詰まってしまいます。
肌や毛に栄養を運んでいるのは非常に細い毛細血管です。
そう、血糖値ジェットコースターによって毛細血管はいとも簡単に破壊されてしまいます。
結果、髪も肌も栄養不足で弱っていきます。
ちょっと大げさですが、肌荒れや薄毛になるのは、心筋梗塞や脳梗塞にたどり着いてしまう前の中間地点とも言えるかもしれません。
糖尿病でハゲる?
うちの家系は薄毛が少ないんですが、親族をよくよく観察してみると、その中でも例外的に髪が薄くなっている人がいるんですよね。
その薄くなっている人は糖尿病だと診断された人ばかりでした。
(糖尿病というのは、インスリンが分泌できず、完全に血糖値が制御できなくなった状態です)
糖尿病の合併症でよく起こるのが
- 神経障害
- 網膜症による失明
- 腎不全
の3つです。
腎臓にしても網膜にしても、非常に毛細血管が多い組織です。
細い血管が多い分、糖尿病の影響を受けやすいわけですね。
となると、糖尿病を患った人の髪が薄くなっているのは、やっぱりそういうことなのかなぁ、と。
ちなみに、親族の一人はかなり重度の糖尿病で、髪は・・・ほぼツルツルです。
しかし、もう髪がどうこうというレベルではなくて、足の指は切断してるし、視力もほぼない状態です。
幸い腎機能はまだ保っているそうなんですが、介護がなければ生活もできません。
やはり、健康を失うのは辛いですよね・・・。
ご飯は立派な「糖質」
あ、念の為に説明しておきますが、「糖質」というのは「甘いもの」だけを指すものではありません。
米や小麦などの穀物もたっぷり糖質を含んでいます。
白米などは甘くないので糖質というイメージがないかもしれませんが、その実は糖質の塊です。
糖質の量で言うと茶碗いっぱいの白米は角砂糖17個分と同じになります。
つまり、ご飯を茶碗いっぱい食べるのは角砂糖を17個ガリガリかじるのと同じなのです((((;゚Д゚))))
ちなみに「精製された穀物」が最も急激に血糖値を上昇させます。
食材でいうと、白米、小麦粉、などですね。
精製されていない玄米などは、食物繊維を豊富に含むので、吸収に時間がかかります。
その分、血糖値の上昇も緩やかで、血糖値のピークも低くなります。
しかし、
精製された白米には糖質の吸収を妨げる食物繊維がほとんど含まれていません。
そういうわけで、あっという間に分解・吸収され、血糖値を急上昇させてしまうわけです。
砂糖と白米で血糖値の上昇スピードを比べると、なんと白米の方が速いです。
まとめ
さて、今回は糖質過多の危険性について、体の中の視点から解説してきました。
今日のポイントをまとめると
- 血糖値の乱高下が血管を破壊する
- インスリンが血糖値を制御している
ってところですかね。
この2人がタッグを組んで血管力を低下させていると言っても過言ではないです。