3.初めてのテストプレイ

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ENERGEIAを始めることにしたものの、遊ぶ方は気軽に参加できそうだけど、作る方はマニアック過ぎて中々集まらないだろうなということが予想できたが、たくさん人数が必要なものでも無いので暫くは少人数で知っているメンバーでも問題無いだろう。

制作仲間候補には一人心当たりがあった。

ミナトの会社員時代の同僚のアズマがテーブルトークRPGという結構ガチな人がやるボードゲームをやるという話を聴いていたのを覚えていたので、久しぶりに連絡して声をかけた。

大まかなルールはある程度出来ていたので、これからは実際にテストプレイをやって色々確かめなければならない。

面白そうだと思って考えたことが、果たして本当に面白いのか。

プレイのテンポが良いか。

初心者がやっても迷わずプレイできるのか。

ゲームとしてのバランスが良いのか。

ルールに問題や抜けが無いか。

等々、やってみないと分からないことはたくさんある。

コロナ禍でオンライン会議が当たり前になったが、残念ながらボードゲームの場合は会わずにゲームはできない。

テストプレイを頼もうにも気軽に人を誘うという訳にもいかないのは、ちょっと厳しいところではあるが、まあそれも仕方ないのでその中で考えながらやるしかない。

テストプレイはアズマの家で行われた。

アズマの凄いところは理解の速さがずば抜けているところだ。

1年半ぶりということもあるが、考えたはずのミナトが結構忘れていることが多いのに、数日前にルールを一度説明されただけのアズマの方が遥かにルールを覚えていたのだ。

どっちが考えたんだが分かりゃしない。

メインのボードはタヌマが予め試作してきた。

ヴィジュアル面はタヌマの担当。

仮のデザインを印刷した紙を、小学校の図工の時間みたいにみんなではさみでチョキチョキしながらカードを作っていく。

コピー用紙だと流石に薄すぎるが、それをスリーブに入れるとトレーディングカードのような雰囲気になる。

こんなことも知らないと案外つまずくポイントになりそうだが、そういう小物もアズマ家には用意されていたので、その点は非常に助かっている。

「この場合、どうなるんだっけ?」

「これってどうした方が面白いかな?」

「このルールはこうした方が良くないか?」

「ちょっと分かりにくいよね、このルール」」

「こんな効果のカードがあったら良いよね」

等、疑問点が出てくる度にプレイを中断し、話し合った。

ここでもアズマが大きく活躍した。

こうしているうちに時間があっという間に過ぎ、この日はお開きになった。

実際にやってみるとやっぱりたくさん問題点や改良案が出てくる。

その場で結論が出ることもあれば、良いアイデアが出ずに一旦後回しにすることもあったが、面白くするためには今後も何回かテストプレイを繰り返す必要があるだろう。

だが、ルール調整以上に難しい大きな課題がまだあった。

このゲームのメイン部分であるボードの機構部分を完成させなければ、良いルールが出来ても遊んで貰えるような代物になるのは到底無理な話だった。

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