「いろは歌」と諸行無常

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誰でも知っている「いろは歌」の意味をご存知でしょうか?実は「諸行無常」を桜で詠った「深遠な哲学」です。「いろはにほへとちりぬるをわかよたれそつねならむうゐのおくやまけふこえてあさきゆめみしゑいもせす」 全ての平仮名が重複することなく、七五調の歌に収まっています。基本的な事を表すのに「〇〇のイロハだぞ」などと使われます。いろは歌のその内容たるや、「深遠な哲学」です。七五調の美しい文章にまとめて、宇宙の真理 「諸行無常」 を簡潔明快に示しています。漢字にすると 「色は匂へど散りぬるを 我が世誰ぞ 常ならむ、有為の奥山、今日越えて浅き夢見じ 酔ひもせず」「桜の花は今を盛りに咲き誇っているけれどもやがて散っていく」という意味です。この一行で「諸行無常」を表しています。

「諸行無常」の「諸行」とは、全てのもの「無常」とは「常が無い」という事です。この世の一切のものは変化する、続かない移ろい変わって行くという仏教の説く真理を「色は匂へど 散りぬるを」と桜に託して詠っています。この世の一切に「永遠」はありません。必ずいつか無くなるはかないものです。健康も、人の絆も、地位や名声も、いつか失います。私たちは、それが大切なものだと「これだけは続いてほしい」と切に願いますが、どんなに続いて欲しい、変わらないでいて欲しい、と願っても、「諸行は無常」です。万古不変ということはありえません。ただはかない一切のものの中でも、特に桜の花は「三日見ぬ間の桜かな」と言われるようにあっという間に散ってしまいます。「諸行無常」です。

ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水に非ず。よどみに浮かぶ泡沫は、かつ消えかつ結びて、久しくとどまりたるためしなし。世の中にある人と住処と、また格の如し (方丈記)


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