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これから夏に向けて、紫外線がどんどん強くなっていきます。
日焼け止め、帽子、サングラスなどで、対策をしていきましょう。
「紫外線が肌に悪い」ということはみなさんご存知だと思いますが、今回は受験勉強の復習も兼ねて紫外線についてお話しようと思います。
人類と紫外線
人類は約600万年前にアフリカで誕生し、それから全世界へ散らばり、現在のように分布を広げたと考えられています。
アフリカは赤道が近いので、非常に強い紫外線が一年中降り注ぎます。
そのため、肌を保護するためにアフリカに住む人は(移住した人を除けば)みな黒人です。
人類が誕生した直後はみな黒人だったと考えられています。
黒い肌は紫外線から肌を守り、肌の老化や皮膚がんを防ぐことができます。
実際、黒人で皮膚がんになる人はほぼいません。
しかし、人類が生息域を広げるにあたって、北へ移動した者は紫外線不足によりビタミンDができず、骨が正常に形成されず、背骨が変形してしまうくる病に人類は苦しめられることになります。
そこで、肌の色が薄い(=メラニンの合成量が少ない)白人や黄色人種が誕生したと考えられています。
日光浴は必要?
WHOによると
1日20分、日陰にいるだけでもビタミンD合成に必要な紫外線は浴びているとのことなので、ビタミンD合成のためにビーチで日光浴をする必要はないです。
むしろ、直射日光を浴びると紫外線による害の方が大きくなるので、外に出る時はしっかり対策をした方がいいです。
体表(皮膚)の老化の原因
皮膚の老化の原因は自然老化2割に対し、紫外線が8割だと考えられています。
実際、顔も手もシワシワの老人でも光をほとんど浴びない内ももや脇にはほとんどシワがないです。
実は白内障、緑内障など老化に伴う眼病も主な原因は紫外線だと考えれています。
全ての光はエネルギーを持っている
実は光と電磁波は同じものです(正確には光子が運動すると電磁波が必ず発生する)。電磁波と呼ばれる光は人間には見えないだけで、
赤外線⇒赤⇒青⇒紫外線⇒放射線(X線など)
右へ行くほど波長は短く、振動数は大きく、持つエネルギーは大きくなります。
紫外線よりも更にエネルギーの高い光はX線になります。
X線に発がん性があることはみなさんご存知かと思いますが、実は紫外線にも発がん性があります。
●波長
長⇒短
●振動数
小⇒大
●エネルギー
低⇒高
紫外線の分類
紫外線には大まかに分けて
- UVA
- UVB
- UVC
の3種類があります。
UVAは、UVBよりエネルギーは低いですが波長が長く、皮膚の深いところまで届き、肌に弾力を与えるコラーゲンやエラスチンを破壊するため、シワやたるみを引き起こします。
A波より強いB波は、表皮に炎症を起こし、細胞を傷つけます。
UVCは紫外線の中でも最もエネルギーが高くX線と同じくらいの危険性があるのですが、オゾン層によって吸収されるので地表に届くことはありません。
可視光(赤、緑、青)も含め全ての光は生体に作用するエネルギーを持っています。
つまり、室内光(LEDライト、蛍光灯)でも物質を壊してしまいます。
日差しが入る場所でもないのに、家具を動かすと跡が残っていることがあると思いますが、これは室内光によって床材の表面の色素が劣化したためです。
とはいえ、紫外線やX線に比べれば、影響は微々たるものなので、室内光でのダメージは気にする必要はありません。
もしダメージがあったとしても生体の修復機構で十分に対応できるレベルなので。
それに現代において、家の中で電気なしで生活するというのは不可能でしょう。
ただ、生き物ではない化粧品や食品はダメージを修復できないので、できるだけ冷暗所で保管するようにしましょう。
光ダメージの軽減
油の瓶や薬品の瓶が褐色等に着色されているのは、中身が光によって劣化しないようにするためです。
リベレイトローションのボトルもできる限り光による劣化を防ぐため、すりガラスにしています。
また、ミスティックアクアのボトルも透明ではなく、少しだけ白を混ぜたボトルになっています。
紫外線によるDNAダメージの修復機構の異常症
色素性乾皮症という紫外線によるDNA損傷の修復ができなくなってしまう遺伝病があります。
この病気は遺伝性のもので、この病気の患者さんは紫外線によるDNAの損傷を修復できないので、紫外線を浴びるとDNAが損傷したままになってしまいます。
つまり、損傷したDNAを修復できる健常者と比べると肌が非常に荒れやすく、また皮膚がんになるリスクも高いです。
この病気の患者さんは遺伝的にダメージを受けたDNAを修復する酵素を作れないので、現在のところ根本的な治療方法はなく
とにかく日光に当たらないようにする
紫外線対策をしっかりする
などの対処療法しかありません。
DNAダメージの修復の重要性はこの病気のことを知ればよく分かると思います。
色素性乾皮症ではない健常者でも修復ができているというだけで、ダメージは受けています。
そして、修復ができる健常者でも修復には限界があり、完全には修復できません。
それが積み重なって起こるのが、シミ・シワ・たるみなどの肌の老化です。
なので、浴びなくて済むならば、それに越したことはありません。
結論として紫外線対策は重要です。
P.S.
当たり前の話を医学部編入学試験対策で勉強した内容を使って仰々しく語ってみました。
紫外線対策の具体的な方法については、後々その道のプロをゲストとして招いて、解説してもらう予定です