シリコンバレーの人たちは様々な方法で、「脳」をデジタル領域へと拡張しようと考えて来ました。パソコンはデジタル領域によって、記憶容量を増やしたり、計算速度を上げたりして「脳」を拡張して来ました。またインターネットの普及によって、デジタル領域は手元のデバイスからネットの向う側へと拡張しました。そのような中で、スティーブ・ジョブズが成功したのは単に技術とデザインの両方を良くわかっていたからではありません。良いモノを作ってたくさん売れたらいいというビジネス発想とは根本的に異なります。物理的な世界（色）にいる人間が、情報空間（空）に直接繋がれる事を目指したのではなかろうか。禅の世界では、人間（自分）も、自然(世界)と一体であると考えます。思考のみが自然の摂理の外、故に苦悩します。

スティーブ・ジョブズは、この禅の思想の体現者、具現者です。「縁起」の世界を具現化したものがiPhoneやiPadではなかろうか。ジョブズは、人間の為の道具を作ろうとしたのではなく、人間そのものを拡張しようとしたのではなかろうか。。釈迦の教え「縁起」は、「すべての存在は、関係で成り立っている」言い換えると、「関係（縁）が存在を生み出す」と考えます。これはまさに「インターネット」の世界、「電脳空間」そのものです。インターネットは、「縁起」の世界です。インターネットは、「無限可能性場」です。インターネットは、お互いがリンクをして成り立っているデジタル「縁起」世界です。単独では存在し得ない世界（空間）。誰でもがつながり共存共栄しないと永続できない「縁起」の世界です。

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