番外編2:「あっきゃん構文」って何?

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Twitterのストーリーテラーとして彗星のごとく

出てきた「あっきゃん」という若い女性が自らの

ストーリーテリングについて書いた本です。

ニューズウィークでも紹介されていて、注目を

集めています。

この本、プロローグの一文が面白い

小学生の時、「著者の気持ちを答えなさい」という

問いに対して、「著者は本が売れるか売れないか

わからず不安な気持ち」と答えてバツをもらった、

そうです。

私は正しい答えだと思いますが、バツにした学校の

先生、なぜなんでしょうか?そのため、

著者は国語嫌いに!

でも社会人になりTwitterと出会い、140文字

ながら文章を書くようになり、一転して好きに

なったそう。いかに学校の先生が冤罪で真実を

曲げようとしても、人は真実に到達する、という

ことですかね。…まぁ、これはこの本に関係のない

感想ですが...

この本は、著者のこれまでの約10年の半生の

エッセンスを抜き出し、ストーリー風にして、

その上、細かなストーリー文章の書き方を記した本

です。伝えよう、教えようという気持ちが一杯です。

以下、どんな内容かを本に従って簡単に要約します。

変わります、自分自身が

Twitterとの出会いは、前の会社の社長が情報発信を

勧めたことがキッカケ。それでTwitterで文章を書く

訓練をしようと考えたのです。

Twitterのアカウント名も、著者の名前の秋山の

ニックネーム「あっきゃん」を使うことに。

読みやすくって、それでいて個性があるといこと

で決めたそうです。

そして、Twitter発信はあくまで「手段」であり、

「本来の目的」を見失しなわないことが重要です。

その目的とは、「文章力を磨くこと」です。

Twitterでアウトプットして、いい循環を作り、

やがてはnoteなどの長い文章も書きたいと・・・

フォロワーを増やすための気付きもあったそうで。

キャリアに関するツィートでは没個性で反応なし。

そこで日常の出来事を、自分の気持ちを盛り込んで

ツィートすると反応が上昇。それで、

自分のポジションが見つかったといいます。

こうした中で、フォロワーが「あっきゃん構文」と

命名したパターンが出来上がっていきます。

フォロワーによれば、その構文は、言葉をそぎ落した

短文を羅列し、自分の心境をいれている、とのこと。

著者本人は、「短文羅列×情景描写×140字」と

してます。これで、3カ月で「万垢」になるんです。

私に、なる

「役に立つだけではもう古い」。役に立つって顔が

ないといいます。なので、「自分の目で見て」、

「読んだ人に共感してもらい」、「考えてもらう」

140字を目指す。それがセルフブランディング

です。自分の目や心境にオリジナリティを加えると、

コミュニケーションがどんどん広がるとか。

アカウントのトップページには、アイコン、

ヘッダー画像、プロフィールなどの情報があります。

いじれる部分は変えていき、自分のブランディング

に使えといいます。つまり自分の世界観の構築します。

例えば、著者の場合「Twitter界のストーリーテラー」

のような。大切なのは自分らしさ出すことで、

固定ツィートや過去投稿ツィートでも自分らしさ

が出ているのが望ましいと。

ストーリーテリングとは

ただ情報やデータの羅列で語るよりも、

体験やエピソードで語った方が、人の心に残ります。

著者のスト―リーは、話の中に出る主人公や脇役が

中心で、自分は第三者だという振る舞いです。ただ、

完全に第三者かというとそうでもなく、最後のオチ

の部分には自分の考えや意思を込めることが多い、

そんな形です。まるまる自分について語るのは

ストーリーでなくナラティブだと区別してます。

有名な映画監督の言葉の紹介があります。

「ストーリーテリング。それは冗談を言うのと一緒

です。オチを念頭に置きつつ、最初から最後の一言

まで、伝える技術をすべて操って一つの結末に導く

こと」。

私は、伝える。

著者は高校生の時にブライダル業界でアルバイト

を始めました。思えば結婚披露宴は全部違う

ストーリーです。そこでの経験は、文章作成に

活かせることがたくさんあり、アイデアや思考法、

ちょっとした技術が見つかるそうです。

まぁ、どんな仕事にもコミュニケーションは必要

ですから、同様なことは言えますよね。

その中のヒントの一つに、相手の理解度に応じて

抽象度を調整するというのがあります。全くの素人

に業界用語では通じないけど、仲間内では業界用語

の方が通じやすい、みたいな調整です。

しかも140字でストーリーにします。

この中に必要なものを詰め込もうとすると、細かな

ことも考慮するようになります。つまり、

140字の裏に膨大な思考の交錯があるというのです。

そして、Twitterの140字で最高の物語にしようと

します。その考え方が細かに説明されています。

また、「アウトプット(話す/書く)とインプット

(聴く/読む)は表裏一体」という意見です。

一方が大きくなりすぎてもダメとか。それが著者の

ストーリーテリングの側面でもあります。

私は、問う。

良いコミュニケーションをするにはどうすれば?

答えは、「Why(なぜ)を重ねればゴールが見える」

といいます。TEDで有名になったゴールデンサークル

理論の実践です。Why→How→Whatという流れです。

相手が言語化できてないような困りごとも明確化し、

解決の目的地を定められるそうです。

皆と、語る。

転職したそうです。新たな職場では管理職です。

そこでもいろいろコミュニケーションの問題は出て

きて、解決していきます。着地点を共有する。

話す項目は本の目次のようなもの。つまり地図と

いうこと。そして文章の精度を上げる。そのため

言葉の使い方や言い換えが気になり、140字の

ために何時間も使うようになったそうです。

対面の場合の数割増しで気を遣ってちょうどいい

くらいだと。つまり自分でわかる文章でなく

誰でもわかる文章作りです。

私は、飛躍する。

はやばやと、会社を設立します。企業の事業戦略や

クリエイティブ企画をストーリーテリングで

お手伝いする会社です。キッカケは出版社の人の

応援だったようです。あっきゃんのツィート面白いと

いうことで、事業サイトまで作ってしまったとか。

そしたら問い合わせやら依頼が来たということです。

さらに展開があり、専門学校の講師にまでなるんです。

サイトのUI/UXコースでセルフブランディングと

コミュニケーションを教える講師とか。

まあ、ストーリーテラーを目指す著者にとって、

ほんの少しの応用かもしれません。

ある時、一冊の本に出合い人生変わったといいます。

その本は「三行で撃つ」という本。文章テクニックも

Twitterに活かせるものが一杯あったとか。さらに、

ツィートで書籍紹介まで思いついたそうです。

最初と最後の部分だけ紹介しますと、「文章力磨きたい

方。書籍「三行で撃つ」は必読です。・・・そんな私は

この頃毎日、残業で鬱」(2021/3/18)というダジャレ

込みです。句点が8つで短文が9つ。最後は自分の

視点(?)を入れて絞めてます。まさにあっきゃん構文。

これで「3000いいね」とか。その本の編集者からも

DMが。それが著者自身の書籍出版にもつながっていく

のですねえ。出来すぎてない?

長文を書くには

文章が書けないからTwitterを始めたのが、今度は

本の執筆?タイトルを考え、編集者の企画書で勇気

づけられ、方向性が見えたとか。この部分は、編集者

との2人三脚的な展開を本に細かに記しています。

本を書きたい人には大いに参考になるかもしれません。

それにしても、私、長文の文字数に関してあることに

気づかされました。それは、最初は140字のツィート

します。その1ツィートに対して50個の質問が来たと

します。質問に対し、140字で答えると、

最初のツィート+質問と答えがそれぞれ50個で

1万4140字だということです。多いですね。

質問まで書くのはうざいと思う場合、140×51=

7140字です。これ、ちょっとしたレポートです。

このツイートが5個の場合、3万5700~7万700字

です。軽く1冊の本が出来ます。つまりツィートを5つ

作り、質問を50個作れば本が楽勝で出来る。

質問50個なんて、日ごろから貯めていれば簡単ですよ。

なんかすごいヒントだと感じたのは私だけでしょうか?

私は、学び続ける。

著者は文章テクニックの他に、中身を重視します。

中身とは、視点、切り口、センス、オリジナリティ、

個性に関わるものです。著者の考えでは、意識して

インプットを行い、アンテナを張り巡らすことで、

視界が開け、視点も鋭くなるという考えです。

しかも続けることが大切と。そしてインプットから

アウトプットへの道程が見えるものは目立つとのこと。

そしてインプットには人間関係も含めます。

カフェなどに行って人間観察に余念がないようです。

そしてツィートはすべて実話だといいます。著者は、

自身の感情の変遷についても驚くほど細やかにみて

います。また、映像をストーリー展開のヒントに

使っているようです。

最後に

「痛い傷も、弱さも、一人で抱え込むことはない。

オープンに話し、物語をシェアする。

その物語が誰かを救うことだってできるかもしれない。

そして誰かを救うことで、自分がいちばん救われる」

と、伝えることに大きな意義を見つけています。

そして、働くことのもっと長期的、究極の到達点には、

人の役に立つ、ことがある。それが働くことの本質、

というように悟りを開いたような感じですね!

あっきゃん構文

あっきゃん構文のテクニック的なことを抜き出します。

本では、それぞれ別の章にあるのですが、一カ所に

まとめました。テクニックはテクニックということで。

あっきゃん構文1:わかりやすい文章にする

・1文を短くする。落ち着いて、言いたいことを一つ

ずつ、です。

・スリム化する。当然なことは言わない。誇張し

すぎない。凝縮して、重複はなし。

あっきゃん構文2:言いたいことを伝えるには

・伝えるための心構え

 伝えたいという気持ちが大切で、読み手の立場で

文章を書く。まず自分自身がしっかり理解したうえで、

相手の理解度に合わせて書き、読者に配慮した説明を

する、などです。

・結論は先か後かを決める

 結論が先とはメッセージ先行型でニュースや

ビジネス文章に向く。結論が後はストーリーテリング型で、

書き手の思考を追体験的になずる場合に向くそうです。

論文とか推理小説や映画などです。

あっきゃん構文3:文章を洗練させるには

・読点は繊細さを表す

 読点は息継ぎ。文の切れ目、誤読されそうな箇所、

「間」を取りたい箇所、に使います。

・推敲するほど磨かれる

 練り直し、見直すことです。著者はいつも音読と文章、

そして寝かせているそうです。

・文章も絵のように眺める

 漢字が多いと紙面が黒く感じ、ひらがなが多いと

余白が多くすかすかした感じ。開業が多い文章は余白

が増え、風通しがよくなり親しみやすく見えます。

結局、漢字とひらがなを意識的に取捨選択するように

なればということでしょう。

あっきゃん構文4:心をつかむには

・140字ツィートの作り方

 前日夜の就寝までの2~3時間かけて書き上げます。

そして寝かせて、翌朝はチェクして推敲を繰り返します。

夜帰宅して、最終チェック後投稿です。合計で3~4時間

費やしている計算です。なので1日1投稿。細かな作業内容

も書かれていますが、ここでは割愛します。

・自分の考えや視点に対して、4~5回の「なぜ?」を

繰り返し、自分自身の心の底からのメッセージをくみ取る

ようにします。

以上です。

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